●『今日のパン、明日の糧』(ヘンリ・ナウエン)より(2)

「自分の生活に起こることを管理することはほとんどできませんが、自分の生活に起こるであろうことをどのように統合し、記憶するかは、十分にコントロール出来ます。」

 病気や事故、人生に起こるさまざまな出来事をコントロールすることはほとんどできません。だれも病気になりたくて病気になるわけではありませんし、選択して交通事故に遭遇するのでもありません。いろいろな宗教や占いは、人生の出来事をコントロール出来るかのように私たちに語りますが、出来ないというのが現実でしょう。
 しかしそのようにコントロール出来なかった出来事を、どのように受け止めるか、どのように記憶するかは十分にコントロールすることが出来るのです。病気になった時にただ苦しみとして生きようとするのか、それとも感謝の内に生きようとするのか、私たちは自由に選択することが出来るのです。
 世界を見れば、不幸と思える境遇の中にあって喜びと感謝に生きている方がおられます。逆に何不自由のない状況の中にあって文句ばかりを言って生きている方もおられます。残念な出来事に遭遇した時、それを苦しみや不幸として受け止めるのが当然であるかのように思い込みますが、それも自分が選択しているのです。この選択は私たちがどのような人生を送るかを決定します。
 信仰は、いやな出来事を苦しみとしてしか生きることが出来ない不自由から解放されて、感謝の内に生きようとする自由を私たちに与えてくれます。


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