「愛に生きる者には翼がある。喜びに溢れて走り回り、自由で、どこにあっても束縛を知らない。自分に与えられる贈り物には目を留めず、すべての賜物を超えて、それを与えてくださる方に目を向ける。」
トマス・ア・ケンピス(1380~1471)
『キリストに倣いて』で有名なトマス・ア・ケンピス。ニーダーライン(ドイツ、ライン川とオランダに挟まれたあたり)のケンペンで生まれ19歳から70年間オランダ・アグネーテンベルクの修道院で働きました。「ア・ケンピス」とは「ケンペン出身の」という意味。生涯で聖書を4回、そのほかにも多くの書物を筆写しているそうです。『キリストに倣いて』は岩波文庫をはじめいくつか出版されています。
愛に生きる者には鳥のように翼があって自由があると語ります。ここで自由を束縛するものとは自分に与えられる贈り物であると語ります。贈り物、賜物に目を留めるとそれに縛られて不自由になるのです。しかし愛に生きる者は賜物を与えてくださる神さまに目を向けて喜びに溢れて走り回り、自由で、どこにあっても束縛を知らないと語ります。
何不自由のない生活の中にあって不自由を感じ、逆に多くの束縛の中にあっても自由と喜びに生きることができる。人間とはなんと不思議なものでしょう。「翼」を手に入れるかどうかは「何に目を留めるか」によって決まるようです。
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