「甘美な苦難を喜びといたしましょう」
シエナのカテリーナ(1347~1380、シエナ)
シエナはイタリヤのトスカーナ地方の都市で豊かなところだったようです。そのシエナの染物屋に23番目の子として生まれました。双子の姉は生後間もなく亡くなっています。18歳で修道女となりました。
「甘美な苦難を喜びといたしましょう」。苦痛や困難は甘くはありません。美しくもありません。できればそれを避けたいのが人情です。しかしシエナのカテリーナは大分裂時代に向かう教会の教皇ウルバーヌス6世にあてた手紙の中にこのように書きました。人間はつらい時にこそ、よりよく自己を知り、自分の造り主の慈しみをもよく知るのだと。
病にあって健康のありがたさを知り、貧しさに出会って富の大切さを学びます。困難に出会って困難の中にある友を優しく思いやる者に変えられます。おおよそ苦しみを知らない人間ほど鼻持ちならないものはありません。(少し言い過ぎですが)
苦しみのない人生はありません。苦しみに出会ったとき、苦しみの中でこそ出会える主がおられます。
「もしも私が、苦しまなかったら、神さまの愛を知らなかった」(新聖歌292、瞬きの詩人・水野源三)
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