●牧会の机~魂への配慮の歴史より(8)◎器をこわさない

「器(うつわ)をこわしてしまわないように、あまりにも熱心に錆(さび)落としに励んでしまったために。」
(ヌルシアのベネディクトゥス(455~555?))

 あなたはうつわのさびが気になるタイプですか? 気になると一所懸命そのさび落としをしなければ気が済みませんね。汚れ程度ならば比較的簡単にきれいになりますが、さびは削り取るぐらいの勢いでないときれいになりません。こすり倒さなければなりません。しかしこすり倒して、さびは取れるかもしれませんが、勢いあまって穴が開くこともあるでしょう。確かにきれいになりましたが、穴が開いてしまったというのではうつわとしては使いものになりません。
 さびとはこの場合「汚れ」ということでしょう。人間も生きていくうちにいろいろな「さび」や「よごれ」がつきます。自分自身を美しく磨くことも大切ですが、あまりにも熱心にさび落としをして、自分自身をこわしてしまわないように。
 ちょっとぐらいさびがついている方が、へりくだりもできますし、誰かの助けに感謝することもできます。また何よりも味がでてきます(ほんまかいな~)。黒さびはかえって内部の腐食をふせぎますし、演歌のサビは盛り上がります。刺身にはワサビが欠かせません。


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