●牧師の机(3) ◎霊的な目

「肉体の目で見るより、霊的な目で見ることの方が大切である」

(ヒエローニュムス、345頃~420?)

 ヒエローニュムス(本名リブニウス・エウセビオス)は、長くカトリック教会公認の聖書翻訳とされたウルガタ訳聖書を翻訳した古代教会の牧会者です。この言葉は、深刻な病で失明の危機にあったキリスト者の友人にあてて書かれた手紙の一節です。この友人の悩みは、病の苦しみとともに、それが自らの罪のせいではないかとの悩みでした。そんな彼にヒエローニュムスは「なぜ」という後ろ向きの問いではなく、「何のために」という前向きの問いに変えられなければならないと手紙において語りました。
 ある方から聞いたお話。あるとき目の不自由な方と晴眼者の小さな話し合いの途中停電になりました。晴眼者は暗闇の中あたふたとしましたが、目の不自由な方は動じず一言。「目の見える人は不自由ですね!」。
 キリスト者には二つの目があります。一つは肉体の目、もう一つは霊的な目。自分の過去も、現在も、将来も、置かれている状況も、困難や苦しみも、あるいは愛する者や家族たちをも、肉体の目だけではなく、霊的な目で見ることにしましょう。


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