●牧会の机(6) ◎この世にあって

「地上を去ることによってではなく、地上に生き、義に生き、陶酔しない生き方を貫き」

(ミラノのアンブロシウスのことば)

アンブロシウス(339~397年)は西暦374年にイタリア北部にあるミラノという町の司教、つまり町の牧師さんになった人です。このミラノにはレオナルド・ダ・ビンチの描いた「最後の晩餐」があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(舌をかみそうですが・・・)があります。司教になった時なんと未受洗でした。そんなことが許されたのですね。
私たちはこの地上に生きていますので「物」に囲まれて生きています。でもアンブロシウスは「物」に頼らず神さまに頼って生きよと語りました。「物」を避けて生きる、「物」なしで生きるというのは不可能です。物に頼らないということは、「物」を用いつつも、「物」に煩わされずに生きる、ということです。
さてこの人、ラテンの世界、つまり西ローマの世界にあって、教会員が歌うことのできる、しかも神学的に考え抜かれた賛美歌を作ることができた最初の人物だったそうです。この世にあって、この世から逃避せず、しかもこの世に煩わされない生き方。それはあらゆる中にあって賛美を歌いつつ歩むことなのでしょう。


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