●はじめまして(18) ◎最初の洗礼式

 大津に赴任した年のその春に一人の方が洗礼に恵みにあずかられました。洗礼式は教会近くの琵琶湖畔、比叡山のふもと、官幣大社・日吉大社の参道をまっすぐに下がったところの琵琶湖畔。新唐崎水泳場というところで行われました。横で釣りをしている人もいましたが洗礼式はおごそかに行われました。加賀乙彦の小説『高山右近』によるとキリシタン大名・高山右近がしばらく幽閉されていたところ近くのようです。400年の時を経て洗礼式が行われていることに深い感慨を覚えます。
 釣りを趣味にしていた私は、翌日、早朝まだ暗いうちに釣竿を下げて昨日洗礼式が行われた現地に行きました。牧師もリフレッシュが必要です。しばらくすると朝もやの中誰かがこちらに来られます。次第にそれが教会の長老さんであることが分かりました。「昨日の洗礼式の地に来て祈ろうと思いまして」といわれます。釣竿を下げている牧師とはえらい違いです。
 しばらく立ち話をし短く祈って帰って行かれました。2008年に92歳で召天されるまでこの方の祈りにどれだけ支えていただいたかと思います。

「香の煙は、聖徒たちの祈りとともに、御使いの手から神の御前に立ち上った。」
黙示録8章4節


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