続・牧会ずいそう<71> 「悪」とは何か?

 「あの人は私の言うことを全然聞かない。私の気分を害した。何と悪い人か。」と言う言葉を聞いた。気持ちはわからないこともないが、真理にではなく、自分に背く者を「悪」とするのは自己中心で、これを振り回すと暴君になってしまう。専制君主は、自分の意見に反し逆らう者を「悪」とし、退け、ある時は処刑した。政策や体制に反する者は「悪人」として捕らえられる時代もあった。民主政治の中でも、自国の国益に反する者を「悪」とする人々がいる。自分に損害を与えた人を悪人だと言う。自分の利益や国益は守られなければならないが、それに影響を与えるすべてを「悪」と決めつけてしまうのはどうかと思うことも多い。聖書は「悪」を自己中心的なもの、相対的なものとは言っていないと思う。絶対的な真理に背き、普遍的な善を踏みにじり、完全な神の愛を無視し背き、人権や人のいのちと言うかけがえのないものを粗末に扱い害を与えることを「悪」と言っていると思う。神は「地上の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧に」なってノアの時代に洪水で世を裁かれた。神は「悪」を裁かれる。


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