続・牧会ずいそう<42>  染込みやすい

 暑い夏、汗が吹き出て来る。ハンカチがすぐにべとべとになる。お化粧している人は汗と共に化粧を拭き取ってしまうと化粧崩れして大変だ。そこで油とり紙なるものを使うらしい。これは普通和紙で出来ていて良く汗が染込む。ところが金沢には、「ふるや紙」と言われるものがある。これは普通の和紙より染込みが良く、お化粧崩れを起こすことなく汗を取ると言うので珍重されているようだ。この紙は、金箔製造所で手に入れることができる。金箔造りの過程でできるのだ。金箔を延ばす時挿む和紙が「ふるや紙」となると言う。金箔が何万回も叩かれて出来上がって行くが、それを挿んでいる和紙はその叩かれることにたえるものでなければならない。しかもその和紙は何回も使用され、10年程も使われると言う。その後ぼろぼろになって捨てられると言うのではなく、「ふるや紙」として更に珍重されるのだ。このように叩かれて来た和紙は、染込みが抜群によい。叩かれても叩かれてもぼろぼろにならない人は、染込み易い心を持つようになる。神は恵みや愛、真理の染込み易い、寛容な人を造るために、試練の槌で何回も何回も叩かれるようだ。


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