〔私の宣教スケッチ 34〕 うちのお風呂も走るね!

旨宣が蒸気機関車が煙を出し、蒸気を出して走るのを見て驚嘆し、「何故あんなにして走るのか」と尋ねた。石炭をくべ、お湯を沸かして、その力で走るんだと答えると一層驚き、興奮して言った「じゃあ、うちのお風呂も、もうじき走るね!」そのころの吉野のお風呂は、石炭を燃料としていた。石炭に火がつくまでが大変で、いつも悪戦苦闘していた。紙や木切れをもやして石炭に火がつくまでが大変なのだ。余り詰め込むと燃えない。空気のとおりを良くしないといけない。煙突掃除も頻繁に必要となる。石炭に火がつき、ゴウー!と音をたてて燃え出すと感激だ。しかし風呂が湧くまでには大分時間がかかった。焚き口の傍を離れることが出来ない。本を読んだり、ラジオを聞いたり、書道の通信講座を学んだのもこの頃であった。黒々と書き込んだ新聞紙は焚き付けにもなった。焚き口の近くを耕し小さな菜園も作っていたので草取りも出来た。風呂焚きからいろんな例話の材料を得たこともうれしかった。


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