〔私の宣教スケッチ 30〕 パチン!帰れ!

伝道に行き詰まりを覚え、礼拝に誰も来ないこともあった。妻も二人の幼児を抱えて苦しい毎日の連続であった。そのような中で私は、妻に或資料を出すように頼んでいたが、一向に出してくれない。催促すると、弁解とつぶやきが帰って来た。「どうせ誰も来ないのに、してもしなくても・・・」と言うふうな内容であった。暫く言い合っていたが、私は段々悔しくなって、「人に仕えているんじゃない。誰が来なくても主に仕えているんだ!やるべきことをやらないで、文句ばかり言うな!」と自分に言い聞かせるように叫ぶなり、パチン!と妻を叩いてしまった。驚いた妻は「もう帰る!」と泣き出した。私は「ああいいよ。御霊がそのように導かれるのなら帰ったらよい。」と言ったが、妻は帰らなかった。後日、聖会説教の中で、「夫婦は争うことがあっても手を出すことがあっては絶対にいけません。牧師が妻を叩いたりしたら、もう牧師失格です。」と言われ愕然とした。失格牧師が今日あるのは、神の憐れみと妻の忍耐と愛の故だと思う。


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