〔牧会ずいそう(選集)〕 収穫の時

 今年は初めてスイカ作りをやってみた。長い梅雨、その後の連日の日照り、畑の作物には難しい年となった。そんな中にも幾つかの実がかなり大きくなった。
 しかし、困ったのは収穫適時が判らないことだ。表面を撫でたり、叩いたりするが、中は見えない。試しに切ってみるわけにはいかない。とにかく一つ取って食べてみた。まだ少し早いようだった。ぐっ――と辛抱して取れたてを人にあげたら、もう熟れ過ぎて腐りかけていたと言う。一つ一つ違うらしい。
 人の魂を刈り取るのも同じだ。早く決心を迫っても良くない。待ち過ぎると、もう受け付けなくなっている。人の心は外からは見えない。
「目を上げて畑を見なさい。色づいて刈り入れるばかりになっています」
 とにかく主のお言葉に従うのが第一!


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