〔私の宣教スケッチ 24〕 先輩先生の勧め

吉野に赴任が決まったとき、以前に吉野におられたことのある先輩の先生が、幾つかの勧めを下さった。他は忘れてしまったが、2つだけは今も覚えている。一つは、「たまには魚釣に行きなさいよ」であった。当時は、そんなのんきなことでは十分な伝道は出来ないーーと張り切っていた。しかし、後になって、たまには魚釣に行くぐらいの息抜きをしないと精神的窒息状態になる事が分かった。東京に出た時、都会の牧師が話の中で「田舎にいる牧師はいいですよね、たまには釣に行ってると言うんですよ」と言った。この人は、たまには釣にでも行かないとやりきれなくなる田舎牧師の気持ちが分かってないなあ」と思った。一週間走り廻って訪問し、幾人かが来てくれると期待しても、次の礼拝には一人も来ないことが度々あった。わたしは釣には行かなかったが、実用を兼ねて山菜取りをしたり、書道の通信講座に息抜きを求めた。もう一つの勧めは「米は滋賀県に来たときに買って帰りや」であった。同じ値段でも滋賀の米はおいしいことを知った。


投稿日

カテゴリー:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.