〔私の宣教スケッチ 17〕 常識がジャマしてね

新しい集会所は、離れ座敷であった。離れに面して中庭があり、離れ便所もあった。素晴しい場所で、離れに直接の入り口もあって、通りに面していた。看板を出すことも出来、良く目立った。しかし、そこだけで生活するようには造られていないので、炊事場はなく、離れと蔵の間に急ごしらえで、波板トタン張りの仮炊事場が造られていた。冬になると雪が吹き込み積もった。洗濯場もないので、入り口の横の水道を利用しての洗濯で、その頃は洗濯機もなく、旨宣をおんぶして雪をかぶりながら沢山のオシメを洗っている妻の姿はいじらしかった。お風呂もなかったので、この場所を紹介してくれた奥さんの家に週2回もらい風呂した。この時間が奥さんや子供さんたちとの良き交わりになったようにも思う。大学教授であるというご主人も時々出て来られた。時々信仰の話しになると、それを避けるように「常識がじゃましてね」と言われた。私は「救いのじゃまをするような常識は捨ててしまえ」と叫んでいたが、声にはならなかった。


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