〔私の宣教スケッチ 13〕 先生アホやわ

集会所を探している頃のことであった。教会には14枚の座プトンがあったので、毎週の集会に全部をならべ、「この全部の座布団全てに人が座るようにして下さい」と祈っていた。ある宣教師が帰国のとき、「使ってください。」と7枚の座布団を下さった。どうしようかと迷ったが、とにかく毎週21枚の座布団をならべて人の来るのを待つことになった。時々水口にいた信者さんが応援参加してくれたが、誰も来ないことも多かった。それでも、日曜日の礼拝はプログラム通り進め、郁美一人を前にして説教した。ある日、近所の子供から「アホ、アホ」と言っていじめられている子が庭の木に逆さにぶら下がり中を覗いた。座布団は沢山ならんでいるがその真ん中に一人が座り、一人は前で大きな声で話しているのである。その子は言った「先生ら何してんや。アホとちがうか。先生アホやわ!」「宣教の愚かさによって、信じるものを救うこととされた」と言う御言葉が心にひびいた。私たちの送別会の時、21枚全てに人が座っていた。


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