おまつは多分、おこんに会ったあと、朋輩や知り合いにただしてそこまで調べたのだ。残酷なことをする、と鶴蔵は思った。だが、他人の不幸を確かめないではいられないのは、おまつ自身が、あまりしあわせではないからだろう。
藤沢周平、「遠い少女」、より(『長門守の陰謀』、文藝春秋文庫、2099年7月10日発行、152頁)
他人の不幸を確かめないではいられないのは、その人自身があまりしあわせではないからだといいます。幸せな人は、他人の不幸を確かめなくても満たされています。あるいは他人のしあわせを心から喜んであげることが出来るということでしょう。そういう人になりたいと思います。