愛への冒険
2017年6月7日(水)愛の根本は棄私である。敢えて冒して一己を捨てることである。敢為であり、断行であり、冒険である。愛への決心、それが愛の根本である。愛への冒険、それが愛の実現の第一歩である。故に愛の出発は感情になくして、むしろ意志にある。その決断にある。だから愛は道徳でありうる。
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然るに愛とは自己の要求を捨てて、他の要求を充たそうとすることである。事後の快感でなくして、事前の覚悟である。だから臆病者は愛を能くしない。断じて起つの勇気あるもののみ、能く愛の至宝にあずかりうる。
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何の誤算も何の冒険もあり得ないような、一切万端確実にして明々白々たるが如きものに対して、何の強きが存しよう。〔三谷隆正〕
『愛と自由のことば』
大塚野百合、加藤常昭編
日本キリスト教団出版局、1972年12月15日初版発行
2011年6月20日第14版発行
175頁
「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい。いのちを救おうと思う者はそれを失い、わたしと福音とのためにいのちを失う者はそれを救うのです」(マルコ8・36、35)
できるだけ失うことの少ない道を選び取ろうとしている自分があります。
愛の道を選ぶことは、自分を捨てる冒険に出ることである、との意味を学ばなければなりません。