理想と現実
2017年6月2日(金)自己純化に努める者は、その理想主義をなにものによっても奪われない。・・・この理想のために外部へ向かって働きかけようとする場合、その成果がごくわずかしかみとめられなくても、自己純化に相応するだけの働きをおよぼしているのだということを知っている。ただ、成果がまだあらわれていないか、目に見えないだけの話である。力あるところには、有力な働きがある。
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現代のおいては、暴力が虚言の衣装をまとって、かつてなかったほど気味わるく世の中に君臨しているけれども、わたしは依然として、真理、愛、寛容、温厚、親切があらゆる権力にまさる権力であると確信している。〔アルベルト・シュヴァイツァー〕
『愛と自由のことば』
大塚野百合、加藤常昭編
日本キリスト教団出版局、1972年12月15日初版発行
2011年6月20日第14版発行
170頁
信仰に生きることは、この世界から見れば、まさに理想主義であり、現実をしらない者のすることである、とこの世界は言うかもしれません。しかし事実や経験がいかに理想からかけ離れていようとも、真理、愛、寛容、温厚、親切こそこの世界のあらゆる権力に勝る力を持っているのです。