成熟について
2017年6月1日(木)わたしたちはいつでも少年のころと同じように考えたり感じたりすることに、一生涯努力しなければならない、という確信は、忠実な助言者のように、わたしの人生行路についてまわった。
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「成熟」ということばは、人間に適用されると、わたしには不気味な感じがした。
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普通に人間の成熟と見られているものはあきらめの分別である。〔アルベルト・シュヴァイツァー〕
『愛と自由のことば』
大塚野百合、加藤常昭編
日本キリスト教団出版局、1972年12月15日初版発行
2011年6月20日第14版発行
169頁
大人になれということばは、分別をわきまえろということですが、それは「あきらめの分別」である、ということでしょう。本当に深い人生経験が、経験のない人に語る言葉は、それとはまったく違った魅力を放っている、のです。