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キリスト者の確信

キリスト者の確信
2017年5月17日(水)

キリスト者は、ローマ人への手紙第13章が与えるあの恵みの約束に基づき、いきいきと、大胆に仕事につく。
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支配的決定的な働きをするグループが、エジプトやペルシャのように異教と結びついていたり、あるいはスペインやコロンビアにおけるごとく教皇のイデオロギーと結びついて支配しているような世界においても、従ってまたマルクス主義世界においても、キリスト者はその分に応じ、そこで自分に与えられている可能性に従い、政治生活に寄与すべく協力するのである。ご自分に仕える者、しもべたちをそこで用いておられる神、イエス・キリストの父なる神が、公共の生活においてもご自分に服従するように呼びかけておられるとの確信を持つからである。この確信は、よりよき可能性とより悪しき可能性や国家形成の区別、まして善と悪との区別をどうでもよいとするのでは決してない。
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神に服従するキリスト者は、いかなる時代にも、不当な苦しみを受け、損をしている人々のかたわらにある。

〔ヨハネス・ハーメル〕

『愛と自由のことば』
大塚野百合、加藤常昭編
日本キリスト教団出版局、1972年12月15日初版発行
2011年6月20日第14版発行
151頁

ヨハネス・ハーメルは、旧東ドイツの神学者。
この世界は圧倒的に罪の世界です。そこに生きるキリスト者はこの世から離れて生きるのではなく、この世に生きていきます。しかしこの世とは神さまが愛されている世です。上に立つ権威に従いなさいと語ったパウロの言葉に従って、この世に仕えて生きていきます。それがたとえ反キリストと思えるところであろうとも、誠実に仕えていきます。もちろんそれが不当な苦しみを受けている人びとをないがしろにすることであってはなりません。不当な苦しみを受けている人びとともにいる者でなければなりません。しかしそれはいわゆる体制に向かって反対運動を展開することではありません。世に仕える道に歩むことです。


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