この一年(2016年)、朝のデボーションに、ヘンリー J.M.ナウエンの『今日のパン、明日の糧ーBread for the Journey』を読んできました。この本の「監修者あとがき」にありますように「透明で、深い人間性から溢れ出る魅力」にあふれた言葉の一つひとつに、支えられた毎日でした。
今年で55歳となり、好むと好まざるとにかかわらずいくつかの変化を経験しています。まず春から少し離れた地域の中学校に美術の教師として講壇に立ちました。非常勤なので週に多くて14時間ということですが、実際は平均10時間ほどだと思います。約30年ぶりの教育現場に戸惑いと不安、恐れでいっぱいでしたが、現場の諸先生方の温かい励ましの中にここまで続けて来られました。生徒たちは時代の変化の中にあるのだと思いますが、私にはどの生徒も神さまによって造られたかけがえのない存在と思えて、教室にいる時間は恵みの時間となりました。
東近江の教会の牧師として赴任して5年が過ぎようとしています。今年は6件のお葬式をさせていただくこととなりました。高齢者もいればそうでない方もおられました。最終は12月30日に行いました。天国への希望が確かにされる時でした。あらためて生かされていることを感謝しつつ、自分に与えられている地上での時間をどのように過ごすべきかを考えさせられる時でもありました。
諸事情で彦根の教会も兼牧することとなりました。東近江の教会が90名ほどに比べ、彦根の教会は20名足らずの礼拝出席者です。規模は違いますが、同じ神さまのいのちにあふれた教会です。時間的には忙しい中にありますが、覚悟を決めて恵みの時々としたいと願わされています。
団体の仕事は総務関係なので、嫌いな仕事ではありません。先生方の給与計算や団体の会計を行なっています。しかし理事の一員でもあることが少なからず重荷となっています。自分自身の理事としての判断力のなさを痛感しています。
透明水彩画をしっかりと始めようとしています。かつて油絵とデッサンに明け暮れていた時がありました。牧師になってからはその時間を持つことをしていませんでした。少しスケッチをしては、はがきにして礼状などに使うことはしてきましたが。ここに来て水彩画の魅力を発見したような気になっています。
コバルトブルーやビリジアンなど、原料の高価な絵の具には、ヒュー、チントなどといって、人工的に造った少し安価な絵の具があります。にせもの感がありますので、少し高くても本物をそろえたいところです。コバルトブルーとコバルトブルーヒューはやはり違う色です。しかし安価であるからといってヒューは良くない色かというとそうでもありません。すべての絵の具は値段的には高い安いがありますが、それぞれにすばらしい色彩を生み出します。人生もこの世の価値観では尊く見えたりそうでなかったりと違いが感じられたりするのかもしれませんが、神さまの前にはみなすばらしい色合いを生み出しているのです。
過ぎ去ろうとしている一年を感謝しつつ新しい年に向かってまいります。