私たちの旅をよく生きる
2016年8月22日(月)これまでの旅の数々が、私たちの最後の旅の前置きとなっていると考えてみることは、死について考える時役に立つかもしれません。
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退職する時、明確に把握できていた仕事の生活から、新しい創造性と知恵とが求められる生活へと旅します。
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これらの旅をよく生きるなら、私たちの最後の旅に向けての準備がますます整えられてゆくことでしょう。ヘンリ J.M.ナウエン、『今日のパン、明日の糧―Bread for the Journey』
監修者・嶋本操、訳者・河田正雄、
聖公会出版、2001年11月22日第1刷発行、2015年1月17日改訂版第4刷発行、
286頁。
「死は新しいいのちへの旅」とナウエンは語ります。このたびに出発したいと思う人はあまりいないのだと思いますが、みなこの旅にいつか必ず出発しなければなりません。どうせ出発しなければならない旅ならば、よい旅にしたいものです。
よい旅にするためには、準備が必要です。死という最後の旅の準備は「最後の旅の前置き」をしっかりと旅することです。
「最後の旅の前置き」とは、今までに経験の少なかったこと、あるいはまったくなかったことに出発する経験です。
あるひとは、新しく始めることを忘れなければいつまでも青年である、といいます。新しいことにチャレンジすることが、若さを保つのです。
しかし若さを保つだけではなく、死のよい準備にもなるということでしょう。
死の準備と若さを保つことは、いずれも「永遠のいのち」に深く結びついているような気がします。