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二つの孤独感

二つの孤独感
2016年7月30日(土)

霊的な生活においては二種類の孤独を区別する必要があります。最初の孤独感では、神に触れることがなく、帰属意識や親しみ、家族の味を与えてくれる人やものを不安げに探しまわっている自分を体験します。第二の孤独感は、私たちの感情や思いの及ばない、深く偉大な神との親しい交わりから生まれてきます。

この二種類の孤独感は、目の見えない二つの状態とみなすことが出来るでしょう。第一の目の見えない状態は光がないため、第二の目の見えない状態はまぶしすぎる光のために起こります。第一の孤独感からは、信仰と希望とをもって抜け出すように努め、第二の孤独感は、愛の内に抱きしめることが大切です。

ヘンリ J.M.ナウエン、『今日のパン、明日の糧―Bread for the Journey』
監修者・嶋本操、訳者・河田正雄、
聖公会出版、2001年11月22日第1刷発行、2015年1月17日改訂版第4刷発行、
260頁。

第一の孤独感は、信仰と希望とをもって抜け出すように努める、といいますから、神さまに愛されていること、神さまがすべてをご支配してくださっていることを信じることによって解決の道を見出すことが出来るでしょう。
第二の孤独感は、愛の内に抱きしめること、といいますが、何を抱きしめるのか。神さまの愛を抱きしめるのか、あるいはそういう自分を抱きしめるのか。
この第二の孤独は、抜け出さなければならないものではなく、この孤独自体を大切にすること、つまり孤独自体を神さまの愛の内に抱きしめること、ということでしょう。

いずれも孤独は、神さまの愛に出会う道になくてはならないものです。第一の孤独は、私たちには神さまへの信仰が必要であることを思い起こさせてくれ、第二の孤独は、深く神さまの愛の内にあることを知らせてくれる、あるいは神さまの愛を味わうためになくてはならないものです。

第一の孤独はロンリー、第二の孤独はソリチュードでしょうか。


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