コトバと復活のイエス

 福音書には、現代人が考える論証を最初から拒むような記述がある。この書物は読む者に、文字を追う目とは別な、もう一つの目を見開くことを強く促している。言語としての言葉の奥に、裸形の意味そのものとなった、隠された文字があることを暗示している。それは読む者の魂の中にだけ顕われる不可視なコトバである。
 また、このときコトバと復活のイエスは同義である。福音書がそのコトバにふれる者のうちに生きているように、イエスもまた、コトバとして今も私たちの傍らに生きている、それが福音書を書いた者たちの信仰告白だった。

若松英輔、『イエス伝』、中央公論新社、2015年12月10日、270頁

「読む者の魂の中にだけ顕われる不可視なコトバ」である復活のイエスさまにお出会いすることの喜びを、福音書を読むごとに学びます。聖書は道徳訓でも、宗教生活の教則本でもありません。イエスさまにお出会いする「道」です。

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