アフリカで宣教師をしていた知人に聞いた話です。ある日、おじいさんが一人、道端の石に腰掛けていました。何をしているのかと尋ねると、「今朝からずっと忙しかったので、時間が私に追いついてくるのを待っているのだ」と答えたそうです。なんという、すてきなアフリカの知恵でしょう。
今泉ヒナ子、『赤いバラの歌~シスターのおしゃべりノート』、ドン・ボスコ社、2009年10月1日発行、22頁
人間は忙しさの中で、「時間」を置いてきぼりにしてしまうものである、ということなのでしょう。時間の流れの中に身をゆだねながら生きることが、人間らしく生きる道を開くのだと思われます。