あなたの地にいるあなたの同胞で、困窮している人と貧しい人には、必ずあなたの手を開かなければならない

静まりの時 申命記15・7~11〔共に生きる〕
日付:2024年07月27日(土)

「7 あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地で、あなたのどの町囲みの中ででも、あなたの同胞の一人が貧しい者であるとき、その貧しい同胞に対してあなたの心を頑なにしてはならない。また手を閉ざしてはならない。」

 「食物の規定」(14・3~)に続いて、「収穫の十分の一の規定」「負債の免除」、そして今朝の個所「貧しい同胞」、このあと「奴隷の解放」と続きます。
 今朝の個所は、「収穫の十分の一の規定」「負債の免除」「貧しい同胞」、すなわち新しい地での経済ライフについての規定の3番目、締めくくり、最後の部分です。

 この部分のまえ4節に

「もっとも、あなたの神、主が相続地としてあなたに与えて所有させようとしておられる地で、主が必ずあなたを祝福されるので、あなたのうちには貧しい人がいなくなるであろう」

とあります。しかし今朝のところでは11節に

「貧しい人が国のうちから絶えることはないであろう」

とあります。貧しい者がいなくなるのか、それとも絶えることがないのか、いったいどちらなのか。
 おそらく貧しい者が絶えることはないのだと思います。しかしそれを相互扶助という形で補おうとすることによって、貧しい人がいなくなる、と主は言われたのではないか。
 もし貧しい人がいたとして、それを自己責任として相互扶助に生きようとしないならば、いつまでもその貧しい人は貧しいままである。しかし貧しさを自己責任とせず、お互いに助け合うことによって、その貧しさはいやされていく。そうして貧しい人がいなくなく。経済ライフの基本は、このように共に生きていること、生かされていることを忘れないところにある。
 実際貧しい人の必要のすべてに十分なものが行き渡るのか。そのために自分が何をすることができるのか。あるいは貧しさがいやされるための「十分さ」とはどれくらいのことをいうのか。もし相互扶助することによって、自分の生活が立ち行かなくなるとすれば、そういう事態はどのように考えるべきなのか。具体的にはいろいろな問題が予想されます。総論では反対する者はいないと思うのですが、細かい議論になると、さまざまな意見が出て来るでしょう。
 いま定額減税で、私たちの小さな団体も、このところ毎月給与明細を発行することになっています。事務作業が若干増えているのですが、私の場合それほど苦ではありません。地方税は各市町村から請求された額を源泉徴収し、そのままおさめるだけすが、所得税のほうは、扶養人数から控除額を計算し、毎月の給与、賞与から控除していきます。すべての職員が、1か月分どころか、12月までの期間、控除しきれず、源泉所得税がゼロ円となりそうです。ですから計算が簡単といえば簡単なのですが、もともと所得税がゼロ円という方もおられるので、定額減税の恩恵感は、ちょっと少ないかもしれません。それでも感謝なことです。こういうところにも相互扶助の精神を学ぶことではあります。公共の様々なサービスが滞ることなくなされ、その恩恵にあずかっているのには、税制度が守られているからです。
 旧約聖書において語られたこの貧しい同胞への援助の精神は、新約聖書においても引き継がれていきました。

「信者となった人々はみな一つになって、一切の物を共有し、財産や所有物を売っては、それぞれの必要に応じて、皆に分配していた。」(使徒2・44,45)
「彼らの中には、一人も乏しい者がいなかった。地所や家を所有している者はみな、それを売り、その代金を持って来て、使徒たちの足もとに置いた。その金が、必要に応じてそれぞれに分け与えられたのであった。」(使徒4・34,35)

「彼らの満ちあふれる喜びと極度の貧しさは、苦しみによる激しい試練の中にあってもあふれ出て、惜しみなく施す富となりました。」(第2コリント8・2)

【申命記15・7~11】
7 あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地で、あなたのどの町囲みの中ででも、あなたの同胞の一人が貧しい者であるとき、その貧しい同胞に対してあなたの心を頑なにしてはならない。また手を閉ざしてはならない。
8 必ずあなたの手を彼に開き、その必要としているものを十分に貸し与えなければならない。
9 あなたは心によこしまな考えを抱き、「第七年、免除の年が近づいた」と言って、貧しい同胞に物惜しみして、何も与えないことのないように気をつけなさい。その人があなたのことで主に叫ぶなら、あなたは罪責を負うことになる。
10 必ず彼に与えなさい。また、与えるとき物惜しみをしてはならない。このことのゆえに、あなたの神、主は、あなたのすべての働きと手のわざを祝福してくださるからである。
11 貧しい人が国のうちから絶えることはないであろう。それゆえ私はあなたに命じる。「あなたの地にいるあなたの同胞で、困窮している人と貧しい人には、必ずあなたの手を開かなければならない。」


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