あなたとともに生き残るようにしなさい

静まりの時 創世記6・14~22〔共に生きる〕
日付:2024年07月25日(木)

14 あなたは自分のために、ゴフェルの木で箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外にタールを塗りなさい。
15 それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト。幅は五十キュビト。高さは三十キュビト。
16 箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内に天窓を仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、箱舟を一階と二階と三階に分けなさい。
17 わたしは、今、いのちの息のあるすべての肉なるものを天の下から滅ぼし去るために、地上に大水を、大洪水をもたらそうとしている。地上のすべてのものは死に絶える。
18 しかし、わたしはあなたと契約を結ぶ。あなたは、息子たち、妻、それに息子たちの妻とともに箱舟に入りなさい。

 人間の悪が増大するのをご覧になった神さまは、自らの創造のわざを悔やまれました。それで神さまは、人間と地とを滅ぼし去る、とお決めになりました。具体的には、この地に世界規模の洪水を起こし、世界を一掃することにされたのです。
 しかしノアはこの時代にあって「全き人」でした。それで神さまはご自身のこの計画をノアに打ち明けられ、ノア一家を洪水から救い出すようにされました。神さまはノアに、箱舟を作るように言われ、それがどのようなサイズで、どのようなしつらえで作るのかを事細かに伝えられました。ノアはすべて神さまに命じられた通りに行いました。

19 また、すべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつを箱舟に連れて入り、あなたとともに生き残るようにしなさい。それらは雄と雌でなければならない。
20 鳥は種類ごとに、動物も種類ごとに、また地面を這うすべてのものも種類ごとに、それぞれ二匹ずつが生き残れるよう、あなたのところに来なければならない。
21 あなたは、食べられるあらゆるものから採って、自分のところに集め、あなたとそれらの動物のための食物としなさい。」
22 ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。

 神さまが救おうとされたのは、ノア一家だけではありませんでした。「すべての生き物、すべての肉なるもの」をも救おうとされました。「二匹ずつ」「雄と雌」「種類ごと」に集めるようにと言われました。集めるといってもたやすいことではないと思いますが、7章9節を見ると、それらは「やって来た」とありますから、「すべての生き物」「すべての肉なるもの」は、神さまの完全なご支配の中に導かれています。心配することはないようです。

 「あなたとともに生き残るようにしなさい」(19)。

 今朝はこの言葉が心に留まりました。私たちは、ひとりで生きているのではありません。互いに支え合いながら生きています。生かされています。ともに生きる「人」によっても生かされていますが、それだけではありません。ともに生きるすべての被造物によっても、また生かされています。
 「共通善」という言葉を聞いたことがあります。私たちはそれぞれなりに「善」を求めています。善、良い、よい、ということを私たちすべては求めているのです。これは必ずしも倫理的な「良い」ということだけではありません。例えば、朝食の時に、ご飯にするかパンにするか、どっちが「いい」というときの「いい」も「よい」という言葉です。犯罪を犯す人も、どうすればうまくやり遂げることができるかと「よい」方法を求めています。この世界は「よい」で満ちあふれているのです。しかしこの「よい」はさまざまな違いがあり、それぞれがぶつかり合って、ときに戦いも生まれます。ですから私たちは、自分の「善」をひと先ず横に置いておいて、「共通善」を求めていかなければならないのです。
 自然を自分が生きるために利用することは、どうしても必要なことです。しかしそれがいたずらな破壊を招くことであれば、自分を生かすための自然を破壊していることですから、自分を破壊することです。自分にとってだけの「よい」を求めるのではなく、はたしてその行為は、他の人にとっても「よい」ことなのだろうか、未来の子どもたちにとってはどうだろうか、と考えていく。そうしてこの共通善の広がりをより広くとらえていこうとする。
 神さまはすべてのものが「あなたとともに生き残るようにしなさい」(19)といわれました。

わたしたちの地球のための祈り

全能の神よ、
あなたは、宇宙全体の中に、
そしてあなたの被造物のうちでもっとも小さいものの中におられます。
あなたは、存在するすべてのものを
ご自分の優しさで包んでくださいます。
いのちと美とを守れるよう
あなたの愛の力をわたしたちに注いでください。
だれも傷つけることなく、兄弟姉妹として生きるために、
わたしたちを平和で満たしてください。
おお、貧しい人々の神よ、
あなたの目にはかけがえのない
この地球上で見捨てられ、忘れ去られた人々を救い出すため、
わたしたちを助けてください。
世界を貪(むさぼ)るのではなく、守るために
汚染や破壊ではなく、美の種を蒔くために
わたしたちのいのちをいやしてください。
貧しい人々と地球とを犠牲にし利益だけを求める人々の
心に触れてください。
それぞれのものの価値を見いだすこと、
驚きの心で観想すること、
あなたの無限の光に向かう旅路にあって
すべての被造物と深く結ばれていると認めることを、
わたしたちに教えてください。
日々ともにいてくださることを、あなたに感謝します。
正義と愛と平和のために力を尽くすわたしたちを、
どうか、勇気づけてください。

(教皇フランシスコ、『回勅 ラウダート・シ―ともに暮らす家を大切に』、カトリック中央協議会、2016年,208頁f)

【創世記6・14~22】
14 あなたは自分のために、ゴフェルの木で箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外にタールを塗りなさい。
15 それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト。幅は五十キュビト。高さは三十キュビト。
16 箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内に天窓を仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、箱舟を一階と二階と三階に分けなさい。
17 わたしは、今、いのちの息のあるすべての肉なるものを天の下から滅ぼし去るために、地上に大水を、大洪水をもたらそうとしている。地上のすべてのものは死に絶える。
18 しかし、わたしはあなたと契約を結ぶ。あなたは、息子たち、妻、それに息子たちの妻とともに箱舟に入りなさい。
19 また、すべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつを箱舟に連れて入り、あなたとともに生き残るようにしなさい。それらは雄と雌でなければならない。
20 鳥は種類ごとに、動物も種類ごとに、また地面を這うすべてのものも種類ごとに、それぞれ二匹ずつが生き残れるよう、あなたのところに来なければならない。
21 あなたは、食べられるあらゆるものから採って、自分のところに集め、あなたとそれらの動物のための食物としなさい。」
22 ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。


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