結局、私の慢性肝炎はそれから約30年も続くことになりますが、絵を描くことに夢中になり、こんなふうに絵を描いて暮らせるなら病気のままでもよい、と思うようになってから、安定した状態が手に入ったといってよいでしょう。
玉村豊男、『からだの履歴書 病気自慢』、世界文化社、2018年1月30日、116頁
今週は、シルバーウィークというのでしょうか。飛び石連休が続きます。といっても私にはあんまり関係がないのですが。四国に勤める娘のひとりが帰省するとかしないとかいってたのですが、台風もあり、また勤務する中学の運動会もあったようで、結局帰省せず、妻と息子と猫との毎日です。
じつは、病気にならず、またコロナ禍も落ち着いていたら、この週は旅に出かける予定でした。富士の裾野の施設で行われる教職者向けの静まりの会に妻とともに参加する予定だったのです。ところが病気になってキャンセル、会自体もコロナ禍でオンラインになりました。オンラインでの参加の案内もあらためていただいたのですが、その気にならず不参加です。
この会は二泊三日でしたが、前後に近くの美術館を巡ろうと目論んでいました。クレマチスの丘、彫刻の森、成川美術館、ポーラ美術館、そして、玉村豊男ライフアートミュージアム。このうち、彫刻の森は過去に家族で1回、私だけでもう1回で計2回。成川美術館は、私だけで1回行ったことがありました。私だけで行けたのは、これもまた近くで行われた研修会に参加した際、一日抜け出してことでした。「あれ、田中先生どこに行った?」と参加していた他の先生たちは言っていたことでしょう。
この中の成川美術館は、ぜひ妻を連れていきたいと思った日本画が清楚に展示されている美術館で、館内のロビーからは芦ノ湖を美しくのぞむことができます。はじめてとなる他の美術館も期待に胸を膨らませていました。が、かないませんでした。先週の診察では、今は自家用車でのドライブも県内か隣の県までにしてください、と主治医に言われましたが、今後の改善とともに遠出も可能となるのか、次回の診察で聞いてみたいと思いました。
ということで、いつかのリベンジを想像しながら、玉村豊男の本を2冊ほど読んでいます。ライフアートという言葉は、玉村豊男の造語だと説明がありましたが、生活に寄り添う植物などが美しく描かれている絵や版画は、透明な時間が流れているようで、ぜひ実物を見てみたいものです。