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神のみを大切にしているという口実

宗教改革者カルヴァンは、むしろ、このところについてこのような趣旨のことを述べました。われわれ信仰者は、神を愛している、神のみを大切にしているという口実をもって、隣人を愛するということをまじめに考えないですむとしていることがある。その通りだと私も思うのです。第一の戒めを捨てるのではない。そうではなくて神に仕えている、神を愛し、神に生きている、われわれは礼拝をしている。そう言えるほどに、神を真実に礼拝している人間というのは、この隣人愛に生きることにおいて自分がまことに礼拝をしている人間だということを示すのであります。そうでない時は、その礼拝もまた空しくなるのであります。

加藤常昭、『十戒講和・ガラテヤ人への手紙 加藤常昭説教全集』、ヨルダン社、1992年6月30日発行、252頁

神さまを愛することと、隣人を愛することが一つになるところに、キリスト者の礼拝が形づくられます。罪びとである人間は、聖書の言葉をもって、隣人を傷つけたり、自己中心を満足させようとしたりするのです。そういう意味での聖書主義は、ほんとうの意味で聖書に生きている、神さまの御心に生きているとは言えないでしょう。


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