信仰は最も大いなる自己否定をすることによって、すべてのものを克服するのです。
C.ブルームハルト、『夕べの祈り』、加藤常昭 訳、229頁
〔主に自らをゆだねよ/主はあなたの心の願いをかなえてくださる。/あなたの道を主にまかせよ。信頼せよ、主は計らい〕(詩編37・4,5)
2018年10月11日(木)
「主に自らをゆだねよ」と訳されている言葉は、協会訳・口語訳では「主によって喜びをなせ」、刊行会訳・新改訳2017では「主を自らの喜びとせよ」と訳されています。
ずいぶん違った感じがしますが、共通するのは、自己否定、ということなのかもしれません。
神さまにおゆだねします、といいながら、結局のところ自己主張をしているならば、ゆだねていることにはなりません。ゆだねていないならば、そこに信仰の喜びはないのです。
「あなたの心の願いをかなえてくださる」という言葉も、この「ゆだねる」ということによって成り立つのですから、自己主張とは全く異質なもののように思われます。
ここにすべてのものを克服する道があります。