自分自身に正直に

おまえに正直に言えなかったのは、おれ自身が自分に正直じゃなかったからなんだ。

カズオ・イシグロ、『夜想曲集』「降っても晴れても」、104頁

真っ赤なうそをつく場合も、小さなうそをつく場合も、それは誰かに対して、うそをついているのだと思いますが、そうしなければならないのは、あるいはそうせずにはおれないのは、自分自身が自分に対して正直でない、うそをついているからだ、ということでしょう。

隣人との関係、世界との関係を、まっすぐにするためには、まず自分自身との関係をまっすぐにすることが大切なことなのです。

私たちの人生の問題は、おおよそ、この自分自身との関係にかかわっています。

だれかとの関係であれば、守備範囲は自分の手の届かないところがありますが、自分自身との関係であれば、それはすべて自分の手の届くところです。解決する力が自分の中にあるとは限りませんが、解決できないとあきらめてしまうことでもありません。

神を信じるということは、この自分自身との関係において、自分ではどうすることもできないところにメスを入れていただき、育てていただき、変えられていくということです。


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