完全なる聖徒
2017年7月9日(日)聖徒とは、新約聖書においては、聖徒らしき者のことではなく、信じる者のことである。キリストが、みもとに来るものたちから常に求めたのは、品性でなく、達成でなく、信仰・信頼であった。
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完全とは、聖潔ではなくて、信仰である。それは、信仰そのものである服従である。
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信仰の服従とは、信仰から成長してくる服従ではなく、信仰自体である服従・信仰の行為を構成する服従・信仰がそこに存するところの服従である。〔P・T・フォーサイス〕
『愛と自由のことば』
大塚野百合、加藤常昭編
日本キリスト教団出版局、1972年12月15日初版発行
2011年6月20日第14版発行
209頁
「ですから、神に従いなさい。そして、悪魔に立ち向かいなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げ去ります。」(ヤコブ4・7)
信仰、信頼、服従。現代は服従という言葉は、あまり流行らない言葉です。教会でさえ服従といえば少なからず否定的な感情が生まれるように思います。それよりも人間は自由であるという言葉の方が好まれるようです。しかし自由主義の中に迎えた20世紀において、二度の世界大戦が起こったという現実を忘れてはなりません。人間は自由というと結局のところ自分の欲望と権利の主張の中に、隣人を侵略し滅ぼすことをするのです。
神さまへの信仰、信頼、服従の中に、まことの幸いが生まれます。それは妄信ではありません。知性を否定することでもありません。健やかに共に生きていくために労することです。