キリストはそっとおいでになる
2017年4月28日(金)その声がキリストだと心づいて、心の耳を傾けるものは幸いです。そうするとキリストが私たちの心の中でだんだん強く働いてくださいます。キリストの働きが、私たちの生(いのち)の中にひろがってくると、私たちはアダムの子から、ほんとうの人に、神の子に造り変えられてゆく心持ちを経験して、怖れおののく臆病な生が、ふしぎな平安にみち溢れるものになります。そうしてご用があれば、それが十字架の道でも、キリストと共に往かしていただきたい心になります。
〔羽仁もと子〕
『愛と自由のことば』
大塚野百合、加藤常昭編
日本キリスト教団出版局、1972年12月15日初版発行
2011年6月20日第14版発行
130頁
キリストは私たちの心にそっとおいでになり、ときどきはっきりと語りかけてくださるのです。その静かな御声を聞き取るためには、私の心が静かな心となっていなければならないのだと思います。静かな心の中に私が在ると、御声が響いてきて、さらにはキリスト御自身が私の心の中で力強く働いてくださるのです。そうしてほんとうの人、すなわち神の子に造り変えられるのです。
そういう一人ひとりとなるならば、やがてこの世がほんとうの人の世、すなわち神の国になるのです。再臨のキリストを待ち望む教会は、今この時生きて働いていてくださるキリストに生かされている教会でもあります。静かな心で御声を聞く教会こそ、そのような教会であり続けるのです。
主日の礼拝において静かに聖書の言葉に耳を傾ける教会は、神の国の到来の中にあります。