余の好む花
2017年4月1日(土)余の好む花とよ、余の好む花は二つある。その一つは春晩く来る、その他のものは冬に入りて咲く、春の者はなんであるか、余は表白して曰う彼女はおだまきである。おだまき!・・・彼女は春晩く来る・・・すみれの如く謙遜で、ひなたよりも日陰を愛し、桜の如くに出しゃばらず、牡丹の如くに華美ならず、藤の如くに気高からず、しかも品あり主張あり、弱きが如くに見えて永く保ち、死に似寄りたる濃藍色に淑女の節操を添えたる状(さま)・・・彼女は弱し、然れども柔和の威力を存す・・・余はイザヤの予言の書に左の言辞(ことば)を読む時に常にキリストと余のおだまきとを思い出さない事はない、「彼は侮られて人に棄てられ、悲哀の人にして病患(やまい)を知れり・・・」(イザヤ書53章)
〔内村鑑三〕
『愛と自由のことば』
大塚野百合、加藤常昭編
日本キリスト教団出版局、1972年12月15日初版発行
2011年6月20日第14版発行
103頁
おだまきという植物の名前は、花の形が機織りの際に繊維をまく道具に似ていることから付けられたとのこと。日本原産のものとヨーロッパなどが原産のものがあるそうで、すべて有毒とのこと。花言葉は「断固として勝つ」。
可憐に見えて強靭ないのちがそこにあります。まさにイエスさまですね。このイエスさまの愛に人は生かされています。