傷をもって聞く
2016年7月10日(日)苦しんでいる人と連帯するとは、私たちが自分の苦しみについてその人と語り合うことではありません。自分の傷について話したとしても、苦しんでいる人にはほとんど助けになりません。傷ついた癒し人とは、自らの傷について語らずに、苦しんでいる人に耳を傾けることの出来る人のことです。
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包帯に隠された私たちの傷が、私たちが全存在をもって人々に耳を傾けるのを可能にしてくれるようになることを信じることが大切です。それが癒しです。ヘンリ J.M.ナウエン、『今日のパン、明日の糧―Bread for the Journey』
監修者・嶋本操、訳者・河田正雄、
聖公会出版、2001年11月22日第1刷発行、2015年1月17日改訂版第4刷発行、
240頁。
苦しんでいる人を慰めようとして、自分の苦しみについて語ることがあります。それが苦しんでいる人を慰めることであると思いこんでいることがあります。
しかしそうでもないということでしょう。
ただ耳を傾けるということが大切なのです。ただ耳を傾けるということを得させるために自らに傷が与えられたのです。