,

神の国の大使

〔天国とその使者〕

2015年9月30日(水)

「天使」とは何か、それはもっぱら彼らの「機能と働き」から理解されなければなりません。彼らは全く天使、「使者」であります。
・・・
しかし、私たちはこのようなものである天の存在について、天上の者たちの存在についても何も知りません。天使たちをその行為において、神の使者としての奉仕においてしか知りません。ですから、天使たちの人柄、姿、特性、本質へのあらゆる問いは、それらによって神の使者である天使の行為についてさまざまなことがいくらかでも理解されるとする限り、余計なことであります。それゆえ、天使たちがどれほどいるかという問いもすべて不要です。個々の天使について、彼らの限りない多数について語っても、同じことが言えます。というのは一人の天使がすべての天使のようにすべての天使のために話し、行動する、すべての天使は、その一人が話し果たすことだけを常に確認でき、確認するでしょう。それゆえに彼らの相互の関係を尋ねることも、天の内的秩序と階級を尋ねることも不要なことです。
・・・
天使たちは「神の大使」 ― この概念が外交用語で用いられる意味で全くそうなのです。
「大使」は自分が代表する政府の一員ではありません。政府をただ「代表する」だけであり、従って自らの理念に従い自らの主導権で政治をするのではなく、完全に彼の政府の政治をするだけです。
・・・
しかしまさに大使の活動がその点にのみあるので、彼は政府を、全権をもって代表します。
・・・
政府の信用と品位はその場で大使のものです。大使を尊敬することで彼の政府は尊敬されなければならない、大使を傷つけるものは彼の政府をまさにそのことで傷つけることになります。そのように優れた仕方で天使たちは神の「大使」として奉仕します。

カール・バルト、『カール・バルト一日一章』
小塩節、小槌千代・訳、日本キリスト教団出版局、2007年9月25日発行、525f。

天使は神さまの大使であるということ。神さまでもないし人間でもない。
その存在は、使者である、という一点、それ以上であっても、それ以下であってもいけない。
天使論はそれに尽きるということです。
ですから天使の、その使者としての使命によってなされたこと、語られた言葉は、神さまの言葉です。私たちは天使を通して神さまに出会います。
しかし神さま抜きにして天使の世界のことを想像力たくましく語ることは、聖書の語る信仰ではありません。

(祈り)
神さま、天の光を暗やみのこの地に差し込ませてくださったあなたの恵みを感謝します。


投稿日

カテゴリー:

,

投稿者:

タグ: