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神さまの支配とサタンの働き

「さて、再び主の怒りが、イスラエルに向かって燃え上がった。主は「さあ、イスラエルとユダの人口を数えよ。」と言って、ダビデを動かして彼らに向かわせた。王は側近の軍隊の長ヨアブに言った。「さあ、ダンからベエル・シェバに至るまでのイスラエルの全部族の間を行き巡り、その民を登録し、私に、民の数を知らせなさい。」

(サムエル記 第二 第24章1,2節)

「アブシャロムの乱やシェバの乱に際して現れた油注がれた王ダビデに対する罪深い態度、・・・選民たることを忘れて、むしろ王国になったことを誇る心の罪」

(『新聖書注解』、「旧約2」、331ページ)

ここに、サタンがイスラエルに逆らって立ち、ダビデを誘い込んで、イスラエルの人口を数えさせた。ダビデはヨアブと民のつかさたちに言った。「さあ、ベエル・シェバからダンに至るまでのイスラエルを数えなさい。そして、その人数を私に報告して、知らせてほしい。」

(歴代誌 第一 第21章1,2節)

「1節を見ると、この人口調査が<サタン>の誘惑によって行われたことがわかる。サムエル記の並行個所を見ると(第2サムエル24章1節)、このことが、さらに主ご自身によって用いられ、イスラエルに対するさばきとなったことがわかる。サタンも、主の許したもう限界を越えては、一歩も半歩も踏み出ることはできない(→ヨブ記1,2章)。<人口を数え>ること(1)事態に罪があるとは思えない(→民数記1章2節)。おそらく、主に拠り頼む代わりに兵の数に拠り頼む想いとか、兵を誇示する高慢な心とかが、主の御心を損なったのであろう。」

(『新聖書注解』、「旧約2」、579ページ)

 聖書は、神と悪魔(サタン)のいわゆる二元論を、語りません。世界を造り、今も完全に統べ治めておられるお方は、神さまお一人です。
 この神さまは善であり愛であるお方ですから、世界に起こる悪の問題を考える時、神さまの義(正しさ)について様々な疑問が生まれます。この「神義論」というテーマは、キリスト教信仰を考える上で、大変重要なテーマです。また信仰生活を送るうえで、大切なテーマです。


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