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イエスについての宗教

元来、最初のキリスト教のメッセージは、イエスについての宗教であって、イエスの宗教の再現ではなかった。それは明確に、救いの宗教であった。イエスによって始められたとしても究極的にはイエスの人格から切り離しうるような敬虔と倫理に関する教えの体系ではなかった。宣教に欠くことのできない要素は、その出来事の証人としての使徒自身である。

(16頁)

G.E.ライト、R.H.フラー共著、『現代聖書入門 新約の部』、平野保訳、日本基督教団出版部、1963年7月10日

最初のキリスト教のメッセージ、それは今日のキリスト教のメッセージでもあるべきですが、それは「イエスについての宗教」であって「イエスの宗教」の再現ではなかった、と語られています。

イエスについての宗教とは何か。イエスの宗教とは何か。まずそのことを考えてみなければなりません。

イエスについての宗教という言葉で表していることは、イエスの処女降誕、イエスの地上での歩み、受肉、イエスの十字架、イエスの復活、イエスの約束による聖霊降臨、などなど、イエスについての事々です。

それに対してイエスの宗教という言葉で表していることは、イエスの語られた思想、敬虔、倫理のことで、それはイエスという人格と切り離しても存在しうる教えの体系といったようなもののことです。

私たちはこのイエスの宗教を信仰しているのではなく、イエスについての宗教を信仰しているのです。これは案外わかっていないところではないかと思われます。


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