あなたが神に対してなすべき第一のこと、それは、自分は神によって選ばれているものだということを信じることである。ブツァーは、その『福音書注釈』にそのように書くことができたのである。
マルティン・ブツァー
ラインホールト・フリードリヒ
魂への配慮の歴史 第5巻 189ページ
『魂への配慮の歴史』の第5巻に登場するマルティン・ブツァー。1491年11月11日、アルザスの自由帝国都市シュレットシュタットに、貧しい両親のもとに生まれました。1507年にドミニコ修道院に入りますが、1521年にドミニコ修道院を脱会し結婚します。1548年、アウグスブルク仮信条協定を認めなかったためにむりやりにイングランドへ行かされ、ケンブリッジ大学教授となります。1551年2月28日、死去しました。
死去後、1557年、女王メアリのもとでカトリックによる反動おこり、遺体は掘り出され公開で焼かれました。残った灰はテームズ川に撒かれたとのことです。1560年、プロテスタント女王エリザベスのもとで、名誉が回復され、記念の墓碑が建てられました。
神さまに選ばれていると言うこと。それはヨハネの福音書15章16節「わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命したのです。」と語られた主イエスさまのお言葉でもあります。選びは特権ですが、しかし選ばれる理由は私たちの側にではなく神さまの側にあります。私たちの側にあるならば高慢にもなりますが、神さまの一方的な愛の中にその理由があるのです。私たちは罪人にしかすぎません。罪人であるにもかかわらず聖書の神さまは主イエスさまの十字架とよみがえりの愛で私たちを愛していて下さいます。ここに選びの喜びと、そして確かさがあります。このことを人間はまず知らなければなりません。