クリストフ・ブルームハルトは教会員の側から大いに受け入れられ認められた。父にそのことについて書き、そこで父から得た答えは驚くべきものであった。ためらうことなく直ちに任地を変えよ、ということであった。
『魂への配慮の歴史10』、141ページf
クリストフ・フリードリッヒ・ブルームハルトは父ヨーハン・クリストフ・ブルームハルトから直ちに任地を変えよとの指導を受けました。それは彼が任地の教会員の側から大いに受け入れられ認められからでした。ふつうは任地の教会員に受け入れられ認められるならば、ますますそのところでの奉仕を続けるべきだと思いますが、この父は逆のことを息子に告げ指導したのです。
牧会ケアのためには、牧師と教会員の麗しい交わり、人間関係はとても大切なことだと思います。そのような人間関係が築かれていないなかでは、牧会ケアはなかなか成り立ちません。しかし、この父ブルームハルトの言葉は、そのような麗しい人間関係の中に入り込む甘えのようなもの、ちやほやとした関係が、牧会ケア、あるいは牧会指導を難しくしてしまうということを示唆しているのではないかと思います。
かといって麗しくない関係が必要なわけではないでしょう。牧師のことばが、慰めと励ましの力を持って教会員に迫るためにきちんとした距離を保つということではないかと思いました。もしそれが難しいようならばいたずらにふさわしい関係を模索するよりも直ちに任地を変えなければお互いに不幸となるでしょう。
なかなか難しいことです。