C・メラー編
『魂への配慮の歴史 第6巻 宗教改革期の牧会者たちⅡ』
加藤常昭訳
第1章 イグナティウス・デ・ロヨラ
ギュンター・スヴィテク2 私は説教においては、プロテスタントの人びとがカトリックの者たちから離反していった論点が何であったかというようなことを論じるつもりはありません。そうではなくて、教会のよい慣習、神を拝む生活に励むように戒め、魂が自分自身をよく知るように、そして、それにまさって、自分の創造者であり主である方を知る知識と愛に至るようにと励まします。その際に、公会議についてもしばしば言及し、いかなる場合にも、既に言いましたように、説教の最後には、公会議のためにも祈るようにさせます。
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宗教改革のただ中にあって、まだ改革の嵐がそれほどでもない時代とはいえ、離反する者への愛を見失わないロヨラの言葉に、本当に慰められます。